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宮部みゆき 「ぼんぼん彩句」 読みました [読書]

今年4月に発売された、宮部みゆきさんの最新刊「ぼんぼん彩句」を読みました。

Bonbon.jpg

この作品は、ちょっと変わった経緯で書かれたもののようです。
十数年前、ほぼ同世代の友人たちと「BBK」という会を作ったそうです。
「BBK」というのは「ボケ防止カラオケ」の略だそうで、3~4ヶ月に一回集まってカラオケを歌う会なのですが、その際には必ず新曲を披露してボケないようにしようという趣旨で始めた買いだそうです。

その後、宮部さんが俳句に興味を持ち句会を開こうとBBKのメンバーを誘ってみたところ、BBKの会員全員(14名)が参加してくれただけでなく、経験者や先生について習っていた人もいて活発に活動が始まりました。その句会で良い句が出るとそれを題材にした小説にしてみたいという小説家魂がうずいてきたようです。

「ぼんぼん彩句」の題名は、BBKの皆さんはまだまだ「凡手(平凡な腕前の人)」だけれど、お菓子のボンボンのように繊細できれいで、彩豊かな句を詠みたいという気持ちから名付けたそうです。

本の内容は、12句の俳句を元に10ページから30ページ程の作品から構成されている短編集です。
1つの作品がとても短い短編なので、ちょっとした空き時間にもサラッと1作品読めてしまう感じで、あっという間に読み終えてしまいました。

その作品はというと、コワいもの、イヤミス的なもの、SF的なもの、癒されるもの、等々趣向が変わった作品が連なっています。そして、元の俳句からは想像できないような世界が広がっていきます。
出だしは普通の日常風景から始まるのですが、話が進むにつれ異常な世界が顔を覗かせていきます。そして予想外の結末を迎えるという形の作品が多かったです。

さすがにいろいろなタイプの傑作を生んできた宮部さんです、どの作品も少ないページ数の中で見事に物語を作り込んであります。久々の宮部作品読書でしたが、ベテランの筆力に感動させてもらいました。

幸いなことに、「BBK(ボケ防止句会)」はまだ続いていて、作品もたっぷりとあるようですので「ぼんぼん彩句」も二巻、三巻と続けていきたいとのことです。
私は、もう「ぼんぼん彩句 第二巻」が読みたくなっています。「宮部さん、待ってますよ!」



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