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オリックス優勝で関西決戦実現!? 50年前小説「決戦・日本シリーズ」再読 [読書]

昨日、オリックス・バッファローズがパ・リーグ優勝を決めましたね。
阪神タイガースのセ・リーグ優勝もあって、セ・パ両リーグの関西チーム優勝が59年ぶりに実現して関西は盛り上がっているのでしょうね。

そのまま両優勝チームがクライマックス・シリーズを突破したら、日本シリーズも59年前の阪神・南海戦以来の関西対決になると話題になっていますね。

こんな状況を見ていたら、突然はるか昔に読んだ「決戦・日本シリーズ」という小説を思い出しました。
1974年に発表され、1976年に早川書房から短編集として出版された「かんべむさし」さんの捧腹絶倒のドタバタ小説です。

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阪神と阪急のリーグ優勝後の日本シリーズ対決を想定して、その騒乱模様を面白おかしく書いています。
阪急といえば現在のオリックスの元球団ともいえますので、今年の状況とダブりますね。(現在のチームカラーやファン気質は違うとは思いますが)

思い出した途端、あの作品を読んだ楽しさも思い出してもう一度読んでみたくなりました。
家の本棚を探してみましたが、どうやら処分してしまったようで見つかりません。
それではと、Amazonのkindleにあるか検索してみたら、ありました。
しかも、kindle unlimited の会員なら無料でレンタルできる対象作品になっていました。
さっそく、タブレットにダウンロードして読み始めました。

物語は、
主人公「俺」の勤める新聞社「スポーツイッポン(スポイチ)」では創立25周年の記念行事が募集され、俺が提案した企画が採用される。
開幕以来破竹の快進撃で独走する阪神と阪急が日本シリーズで対戦するのはほぼ間違いないので(当時はクライマックス・シリーズは無かったので)、これを徹底的に盛り上げようという企画。どちらが日本一になるかの投票ハガキを募集し、日本一になったチームの投票者1,000人をそのチームの選手たちと一緒にその親会社の電車に乗って相手親会社の路線をドンチャン騒ぎしながらパレードするというハチャメチャな企画です。
この企画が発表されると、ファンや関連企業だけでなく直接関係無い企業までもがのって大盛り上がりになるというお話です。

たしか、紙の本では最後は阪神が勝った場合と阪急が勝った場合の騒ぎの状況を対比するように、上下二段の組印刷で表現していたのですが、残念ながらkindleでは章が変わっての表現になっていました。

まさか、実際の対戦はこんなことになるはずはないのですが、ドタバタ具合が爽快で楽しく読み終えることができました。
当時、この作品をきっかけに、かんべむさしさんの作品を読み漁った記憶があります。
kindleにはかんべむさしさんの作品が結構出ていたので、この機会に何冊か読んでみようと思いました。
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アナログシンセの存在感いいネ! 映画「ショック・ドゥ・フューチャー」 [映画]

一昨年の2021年に劇場公開された「ショック・ドゥ・フューチャー」というフランス映画が、Amazon Prime Video で観られるようになっていたので、観てみました。

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1時間18分の短めなので、ちょうど観やすい作品です。

舞台は1978年、フランス・パリのアパートの一室。ある女性音楽家の1日をほとんど部屋の中だけで綴られた映画です。

当時のフランスではシンセサイザーをフィーチャーした、いわゆる電子音楽とかエレクトロポップスはまだ市民権を得ていない時代、そんな中電子音楽に魅了された女性が将来を夢見て音楽づくりをしていくという単純ではありますが、音楽マニアにはなにか経験があるような懐かしさも感じられる映画でした。

音楽に魅了され、それにのめり込んで進んでいく姿は、音楽映画であるとともに一種の青春映画でもありました。

彼女はボーイフレンドがインドへ行っている間に、彼の部屋をシンセなどの機材ごと借りて音楽製作をしている設定です。そこにある機材がとってもイイ!
「Yamaha CS-80」「ARP2600」「Moog model15」。全部かつての私の憧れの機材です。

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当時、今より物価が安かった時代に、おそらく総額600万円以上するのではないかという機材に囲まれて製作するのはかなり贅沢な環境で、安アパートの一室というのはチョッと現実味が少ないかなとも感じましたが、本質はそこではないのでスルーしましょう。

そして録音には、あの懐かしい名MTR「Teac A-3340」が使われていました。
私もRoland の system100 と組み合わせて多重録音に使っていました。懐かしいなぁ~。

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この映画では、音楽製作のアイデアに行き詰った彼女が、日本製のリズムマシン「Roland CR-78」をひょんなことから借り受けて、その機能にインスパイアされて楽曲を作り出していく姿が描かれていました。日本製の楽器が重要な役割を担っているというのもうれしいですね。

1978年というとYMOがデビューした年です。当時の日本とフランスの音楽事情を比較してみるのも楽しいと思います。日本はフランスに比べこの分野では進んでいたように思います。
そのころの私もシンセに魅了され、シンセがフィーチャーされたレコードを集めまくっていたことも思いだしました。

この時代を知っている人も知らない人も楽しめる作品ではないかと思いました。



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結末はいったい? 高橋弘希「叩く」読みました [読書]

毎年、年初に「今年こそ100冊の本を読もう!」と目標を立てるのですが、100冊読むのはかなり難しくて、今年もそろそろ4分の3が過ぎようとしているのに49冊しか読めていません。
今回読んだ「叩く」が、ちょうど今年の50冊目となります。
目標を達成するには、今までの倍以上のスピードで読書しないといけませんね。

私は読む本を選ぶ時、新聞や雑誌の書評欄やYoutubeの本紹介チャンネルで興味を持った本をメモしておいて読むようにしています。
今回の「叩く」も、おそらく新聞の書評欄に紹介されていたんだと思いますが、何に興味を持ったのか全く覚えていません。著者の高橋弘希さんの作品も今まで読んだことがありませんでしたので、なにも知らないまま期待を込めて読み始めました。

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高橋弘希さんは3回の芥川賞候補の後、2018年に「送り火」という作品で第159回芥川賞を受賞された方です。その高橋さんの最新短編小説集がこの「叩く」でした。

・叩く
・アジサイ
・風力発電所
・埋立地
・海がふくれて
の5つの短編で構成されています。

「叩く」は闇バイト(いわゆるタタキ)に応募し、犯行現場で仲間の裏切りにあった男の思いと行動を書いた物語。
「アジサイ」は、突然妻が家を出ていった男の物語。
「風力発電所」は、生まれ故郷を訪れた作家が、近くの町の風力発電所を見学に行き、経験した奇妙な体験の物語。
「埋立地」は、公園で息子に話す、自分が子供の頃の公園設置前に体験した冒険談。
「海がふくれて」は、漁村に暮らす高校生の幼馴染みカップルの青春小説。

どの作品も、登場人物の内面を細かく丁寧に描写した純文学系の作品です。
気取ったところや難解な表現もなく、文章がスルスルと頭に入ってきます。
とても読みやすく、「次はどうなるのだ!」と話に引き込まれ、途中で止めることができません。

しかし、どの作品もはっきりとした結末がありません。
あえて言うと、後の2作品は結末らしい展開はあるのですが期待するほどの大きな展開ではありません。

でも、良いんです!
結末が無くても、結末を読者に想像させてくれます。
良いんです!
大きな展開が無くても、淡々と進む話にどんどん引き込まれていきます。

このような小説は、好き嫌いがハッキリと分かれるんでしょうね。
私は、とっても気に入りました。
読み方によっては、あまり深く考えないで純粋に文章を追うという読書が楽しめますし、どのような結末になるだろうと考えながら読むのも楽しいし、なんとなく面白い作品でした。

高橋さんの芥川賞受賞作品も是非読んでみなくては、あらためて思いました。
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正に学術的解体新書! 「フレディ・マーキュリー解体新書」読みました [読書]

今年は、あの偉大なロックバンド「クイーン」が「戦慄の女王」でデビューしてから50周年の記念すべき年です。
この記念すべき年に合わせたのかどうかは知りませんが、「フレディ・マーキュリー解体新書」という本が新書版で出版されました。

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デビュー当初からの大ファンで、ずっとクイーンを追ってきた私としては読んでみるしかありません。
さっそく、この本を手に取ってみました。

新書サイズで310ページ、文字量としては一般的な量なのですが、内容はうわべの量以上にぎっしりと詰まった読み応えのある本でした。

元朝日新聞記者で、独立した今も音楽・演劇・美術・芸術・伝統芸能などの文化的なジャンルで取材・執筆を続ける米原範彦さんが著した大力作の一冊です。

作品を読み進めると、中学時代からずっとクイーン・ファンだったと言う米原さんの熱意が確実に伝わってきます。

クイーンの幅広いファン層を分析して、
①デビュー当初からのファン
②デビュー当時はファンだったが80年代から遠ざかった人
③80年代からのファン
④テレビドラマで「ボーン・トゥー・ラヴ・ユー」が使用された以降にファンになった人
⑤映画「ボヘミアン・ラプソディー」からファンになった人
10代から70代に渡る幅広さはビートルズより広いかもしれないと言っています。

その幅広いファン層に向けて、いかにクイーンというバンドがすごいのか、フレディ・マーキュリーのどこがすごいのかを、膨大な資料と歌詞・曲・映像から検証していきます、

最初は、映画「ボヘミアン・ラプソディー」について詳しく語られます。
私も劇場で3回、DVDや配信で4回は観てはいたのですが、この本の内容を確認するため、もう一度配信で観てしまいました。
なるほど!確かに! という感じで納得することばかり。最初の章を読んだだけでも楽しさ全開になりました。

章が進んで、フレディの生い立ちやクイーンでの活動の経緯、他のロックバンドやボーカリストとの比較などが綴られていきますが、フレディの凄さがエビデンスを示しながらの検証が始まります。

その「凄さ」とは
①声のそのもの
②ヴォーカリスト(歌い回し)
③作詞・作曲
④パフォーマー
⑤存在(人生への立ち向かい方)
です。

この検証は、正に学術論文化と思われるほどの精密な文体で記述されていきます。
(著者の個人的感覚も入ってはいますが)納得の論文でした。

読書中には、タブレットをすぐ脇に置き、文に出てくる曲を聴きながら読み進めたので著者の意図もよくわかり、最後までとても楽しく読み進められました。

でも、きっとそれは、私がクイーンの熱烈なファンだからなのかもしれません。
クイーンに興味のない人は全く面白くも何ともないのでしょうね。

クイーンの熱烈ファン以外はあまり手を出さない方が良い危険な本かもしれません(?)
要注意!
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楽しいシンセ試奏 「MODX6+」イイね! [趣味・カルチャー]

先日、妻と一緒に近くのショッピングモールに買い物に行きました。
ちょっと時間があったので、買い物の合間にショッピングモール内の楽器店に寄ってみました。

店を覗くと、電子ピアノ、ウクレレ、ギターなどなど、私の大好物のかわいい楽器たちが並んでいます。(見ているだけでテンションが上がってきます、楽しいですね。)
そして、店の奥に進むと最新のシンセサイザーたちが私を出迎えてくれました。

コロナ禍以降、外出して楽器店に行く回数も減っていますし、行っても試奏する機会もあまりありませんでしたので、今回は少し試奏させてもらおうとシンセコーナーの前で一台づつ眺めてみました。
Roland の FANTOM-07 , FA-07 , JUno-DS , RD-2000 , YAMAHA の CK61 , MODX6+ と、弾いてみたいキーボードが揃っています。

FANTOM-07 と MODX6+ にとても興味があること、まだじっくりと弾いた経験がなかったことで、この2台に集中して試奏させてもらうことにしました。

どちらも音がいい!
そして、操作パネルがカッコいい!

FANTOM-07 の操作パネルは、いかにも音楽マシンという感じの質実剛健で使いやすそうなデザインでマニア心をくすぐります。もう一方の MODX6+ は未来的なキラキラしたデザインで部屋にあったらカッコいいだろうなと所有欲をくすぐられます。

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最近のシンセサイザーは、どのメーカーもピアノ音色に力を入れているので、2台ともにアコースティック・ピアノもエレクトリック・ピアノも言うことなしの素晴らしさでした。
その他の音も、このレベルになると個人的な好みの問題で優劣は付けられません。
搭載されている音色の数も2,000を超える数になりますので、とても全部を聴くことはできません。

色々といじっているうちに、MODX6+ でとても素敵な音に出会いました。
音色名は忘れましたが、柔らかいアナログ的なリードシンセオンとソフトなオーケストラ的なパッド系の組み合わせで、弾いているうちに気持ち良くなってしまいました。

こんな気持ちいい音で弾けるなら「MODX6+ が欲しいッ!」と思ってしまいました。
スペックよりも感覚って大事ですよね。
こんなステキなシンセサイザーが身近にあったら楽しそうと想像してしまいます。

MODX6+ は、音色のサーチもあいまいな表現(優しい音や暗い音などなど)で出来るのもポイントが高いですし、アルペジエイターという自動伴奏的な機能も楽しくてすっかり気に入ってしまいました。

ただし、音楽製作に関してはシーケンサー機能がチョッともの足りなくて残念な感じです。
録音に関してはリアルタイム入力が中心でステップ入力ができないことや、パターンシーケンサー形式でトラックメイクしていく今流行りのスタイルが私はあまり好きではありません。
どちらかというと、一世代前の MOXF6のようにステップ入力ができ、1曲全体をコピペしながら作っていく形式が私の好みです。この辺はアップデートで何とかなりませんかね?

しかし、14万円以上という価格は今の私には大きなハードルです。
如何にして資金を調達しようかというのが、今の私の大課題です。(どうしようかな?)
タグ:modx
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