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正に学術的解体新書! 「フレディ・マーキュリー解体新書」読みました [読書]

今年は、あの偉大なロックバンド「クイーン」が「戦慄の女王」でデビューしてから50周年の記念すべき年です。
この記念すべき年に合わせたのかどうかは知りませんが、「フレディ・マーキュリー解体新書」という本が新書版で出版されました。

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デビュー当初からの大ファンで、ずっとクイーンを追ってきた私としては読んでみるしかありません。
さっそく、この本を手に取ってみました。

新書サイズで310ページ、文字量としては一般的な量なのですが、内容はうわべの量以上にぎっしりと詰まった読み応えのある本でした。

元朝日新聞記者で、独立した今も音楽・演劇・美術・芸術・伝統芸能などの文化的なジャンルで取材・執筆を続ける米原範彦さんが著した大力作の一冊です。

作品を読み進めると、中学時代からずっとクイーン・ファンだったと言う米原さんの熱意が確実に伝わってきます。

クイーンの幅広いファン層を分析して、
①デビュー当初からのファン
②デビュー当時はファンだったが80年代から遠ざかった人
③80年代からのファン
④テレビドラマで「ボーン・トゥー・ラヴ・ユー」が使用された以降にファンになった人
⑤映画「ボヘミアン・ラプソディー」からファンになった人
10代から70代に渡る幅広さはビートルズより広いかもしれないと言っています。

その幅広いファン層に向けて、いかにクイーンというバンドがすごいのか、フレディ・マーキュリーのどこがすごいのかを、膨大な資料と歌詞・曲・映像から検証していきます、

最初は、映画「ボヘミアン・ラプソディー」について詳しく語られます。
私も劇場で3回、DVDや配信で4回は観てはいたのですが、この本の内容を確認するため、もう一度配信で観てしまいました。
なるほど!確かに! という感じで納得することばかり。最初の章を読んだだけでも楽しさ全開になりました。

章が進んで、フレディの生い立ちやクイーンでの活動の経緯、他のロックバンドやボーカリストとの比較などが綴られていきますが、フレディの凄さがエビデンスを示しながらの検証が始まります。

その「凄さ」とは
①声のそのもの
②ヴォーカリスト(歌い回し)
③作詞・作曲
④パフォーマー
⑤存在(人生への立ち向かい方)
です。

この検証は、正に学術論文化と思われるほどの精密な文体で記述されていきます。
(著者の個人的感覚も入ってはいますが)納得の論文でした。

読書中には、タブレットをすぐ脇に置き、文に出てくる曲を聴きながら読み進めたので著者の意図もよくわかり、最後までとても楽しく読み進められました。

でも、きっとそれは、私がクイーンの熱烈なファンだからなのかもしれません。
クイーンに興味のない人は全く面白くも何ともないのでしょうね。

クイーンの熱烈ファン以外はあまり手を出さない方が良い危険な本かもしれません(?)
要注意!
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宮部みゆき 「ぼんぼん彩句」 読みました [読書]

今年4月に発売された、宮部みゆきさんの最新刊「ぼんぼん彩句」を読みました。

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この作品は、ちょっと変わった経緯で書かれたもののようです。
十数年前、ほぼ同世代の友人たちと「BBK」という会を作ったそうです。
「BBK」というのは「ボケ防止カラオケ」の略だそうで、3~4ヶ月に一回集まってカラオケを歌う会なのですが、その際には必ず新曲を披露してボケないようにしようという趣旨で始めた買いだそうです。

その後、宮部さんが俳句に興味を持ち句会を開こうとBBKのメンバーを誘ってみたところ、BBKの会員全員(14名)が参加してくれただけでなく、経験者や先生について習っていた人もいて活発に活動が始まりました。その句会で良い句が出るとそれを題材にした小説にしてみたいという小説家魂がうずいてきたようです。

「ぼんぼん彩句」の題名は、BBKの皆さんはまだまだ「凡手(平凡な腕前の人)」だけれど、お菓子のボンボンのように繊細できれいで、彩豊かな句を詠みたいという気持ちから名付けたそうです。

本の内容は、12句の俳句を元に10ページから30ページ程の作品から構成されている短編集です。
1つの作品がとても短い短編なので、ちょっとした空き時間にもサラッと1作品読めてしまう感じで、あっという間に読み終えてしまいました。

その作品はというと、コワいもの、イヤミス的なもの、SF的なもの、癒されるもの、等々趣向が変わった作品が連なっています。そして、元の俳句からは想像できないような世界が広がっていきます。
出だしは普通の日常風景から始まるのですが、話が進むにつれ異常な世界が顔を覗かせていきます。そして予想外の結末を迎えるという形の作品が多かったです。

さすがにいろいろなタイプの傑作を生んできた宮部さんです、どの作品も少ないページ数の中で見事に物語を作り込んであります。久々の宮部作品読書でしたが、ベテランの筆力に感動させてもらいました。

幸いなことに、「BBK(ボケ防止句会)」はまだ続いていて、作品もたっぷりとあるようですので「ぼんぼん彩句」も二巻、三巻と続けていきたいとのことです。
私は、もう「ぼんぼん彩句 第二巻」が読みたくなっています。「宮部さん、待ってますよ!」

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Amazonアレクサ 本も読めるようになったんだネ。 [読書]

昨日に引き続いて、アマゾンエコー(Amazon Echo)とアレクサ(Alexa)のお話です。

アマゾンエコーでいろいろな音楽を再生したり、どんな言葉で再生したら良いかと実験している内に、新しい機能に気がつきましした。

プレイリストの再生で読書しながら聴く音楽を再生しようとした時です。アレクサが聞き間違えたのか「読書」という言葉に反応して、最近ダウンロードしたキンドルの電子書籍を読み始めたではありませんか。ちょっとビックリしました。

アレクサが読み上げしてくれたのは、前日にアマゾンの「Kindle Unlimited」からダウンロードして3分の1程度読み進んだビジネス書の電子書籍です。
しかも、読書中のページから読み上げが始まりました。スゴイですね!

さっそくネットで検索してみると、この2月22日からアレクサに「電子書籍のKindle本を読み上げる機能」が追加されたそうです。
読み上げの対象はアマゾンのキンドル本紹介ページで「Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能): 有効」となっている書籍です。
購入したキンドル本でも、KindleUnlimitedの読み放題サービスでダウンロードしたキンドル本でもOKです。

「本を読んで」と言うと最後に読んでいた本の続きから読んでくれます。
もちろん「『XXX』を読んで」と書籍の名称を言えば、本を指定して読み上げができます。
そのほか、「次の章へ」や「次のチャプター」「最初から」「巻き戻し」「早送り」「一時停止」「再開」のように読む場所を指示したり、「30分後に止めて」とスリープタイマーも設定できます。
なかなか便利ですね。

実際に読み上げを聴いてみて、そんなに不自然な感じはしませんでした。
いつもの女性の声で優しく読み上げてくれました。
時々ちょっとおかしな単語もありましたが(例えば「1日3回」を「ついたちさんかい」と読んだり)、これもご愛敬という感じです。
きっとこれから、もっともっと進化してくれるでしょうから実用的になって来ると思います。

ちょっとした手作業やお掃除、お料理などをしながら読書を楽しむというのも夢じゃなくなってきました。
AIスピーカーのますますの発展を期待しながら、AIのある生活を楽しみましょう。

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「我が家の問題」放送記念 家シリーズ 勝手にランキング [読書]

先週このブログで紹介させていただきましたが、BSプレミアムのドラマ「我が家の問題」の第2回が今夜22:00に放送されます。

先週の「夫とUFOに悩む妻」、おもしろかったですね。
結構、原作の雰囲気が忠実に再現されていて楽しめました。

主人公の主婦が子供たちに向かって言う「これからおとうさんを救出してきます」というセリフを聞いたとき、すっかりこの小説を読んだときの記憶がよみがえってきました。

この短編集は、絶対に奥田英朗さんの最高傑作ですね。
今夜放送される「仕事ができない夫に悩む妻」も、期待できます。今から放送が待ち遠しい気持ちです。

こんな状態で、この家シリーズもう一度読み直したくなって、本棚から昔読んだ本を引っ張り出してきました。
「家日和」「我が家の問題」「我が家のヒミツ」と3部作で、3冊とも家にあったと思っていたのですが、最後の「我が家のヒミツ」は見つかりませんでした。ひょっとしたら図書館で借りて読んだのかもしれません。
とりあえず、見つかった2冊を読むことにしました。

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この2冊の短編集にはそれぞれ6編、合わせて12編の作品が収録されています。
読み始めたらその面白さにやめられなくなって、3日間で読み終えました。

このシリーズ、日常の些細な出来事を軽いタッチでユーモラスに描いた傑作です。
にやにや笑ったり、声を出して笑ったり、鼻の奥がツーンとなるような感動もあって、最後は気持ちよく読み終えられます。
読後感がやけに爽快で、温かい気持ちにもなれます。
奥田英朗さんはやっぱり天才だ、などと感激してしまうような作品です。


そこで、この作品達を私なりに勝手にランキングしてみました。

[第1位]サニーデイ(家日和)
  趣味もなく張り合いのない生活をしている主婦がネットオークション出品に
  はまっていく、抱腹絶倒のお話。ラストの落ちも素晴らしい。

[第2位]家においでよ(家日和)
  妻との別居で妻が出て行ったマンションを、自分好みの「男の隠れ家」風に
  変えていく内に同僚のたまり場になってしまうお話。
  男の憧れが素直に表現されていて、男ならこの気持ちがよくわかる?

[第3位]ハズバンド(我が家の問題)
  「どうやら夫は仕事ができないらしい」で始まる、普通の妻は考えてもいない
  だろうな、というような設定のお話。
  暖かく見守る妻の気持ちが、ささやかな感動を呼ぶ暖かい作品。

[第4位]妻と玄米御飯(家日和)
  家日和→家庭の問題→家庭のヒミツと続く、小説家の家族を描く連続作品。
  ロハスにのめり込む妻を揶揄する夫の目線が笑える楽しい作品。
  妻を裏切れない夫のラストが、切なくも笑える。

[第5位]夫とUFO(我が家の問題)
  仕事のストレスからか、会社帰りにUFOを見るようになった夫のお話。
  夫の状況を心配しながら、夫を助けようと奮闘する妻の姿がユーモラスに
  描かれた作品。

[第6位]ここが青山(家日和)
  会社が倒産した夫が、妻が働きに行き、主夫に目覚めていくお話。
  淡々とした進行の中に優しさがあふれた作品。

[第7位]夫とカーテン(家日和)
  数年ごとに突然仕事を変える夫と、それに翻弄されながらもその度に才能が開花
  するイラストレーターの妻のお話。
  夫に振り回されながらも、夫への愛情が感じられる楽しい作品。

[第8位]妻とマラソン(我が家の問題)
  連作小説の小説家一家のお話。
  今回は、ランニングを始めた妻を東京マラソン出場に誘って応援する一家の
  愛情あふれる生活のお話。

[第9位]甘い生活?(我が家の問題)
  新婚の妻が家事や料理を手を抜かずにキッチリとやってくれるのに帰宅拒否症に
  なってしまう夫のお話。
  どうなるのかと思ったら、スッキリする結末が用意されていました。

[第10位]里帰り(我が家の問題)
  結婚して初めてのお盆休みにどちらに帰省しようかと悩み、結局北海道と
  名古屋の両方に帰省するようになった夫婦の実家での生活を描いた作品。

[第11位]絵里のエイプリル(我が家の問題)
  両親が離婚するらしいと気づいてしまった女子高生のお話。
  悩みながらも大人になっていく姉弟の姿が愛らしい。

[第12位]グレープフルーツ・モンスター(家日和)
  主婦が内職担当の若い営業社員に合ってから変な夢を見るようになった変な話。
  女性の心理はあまりよくわかりませんね。

というのが、私なりのランキングです。

家に「我が家のヒミツ」がなかったので、早速購入してもう一度読み直してみたいと思います。

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ブックダーツって知ってますか? [読書]

本が大好きでいつも本が手放せないという状態の私ですが、読みかけの本に挟んでおく栞には少なからず不満を持っていていろいろな栞を試しています。

知らない間にどこかに落ちてしまったり、重くて扱いが面倒だったりで満足できる栞はあまりお目にかかったことがありません。

紙製、布製、金属製、木製、竹製などなど、いろいろな素材、色々なサイズの栞が家には転がっています。

読んだページだけでなく、どこの行まで読んだかがわかる栞がないものかといつも探していましたが、ブックダーツを知ってまさに「探していた栞はこれだ!」と、即購入してしまいました。

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アマゾンで18個入り600円という手頃な価格で手に入りました。

早速使ってみるとなかなか使い心地が良いようです。
金属でできているのですが、超薄いので、薄いページに挟んでもかさばりません。
しっかりと挟み込めるので、簡単には外れませんし、読んだ行を印してもめったにずれることもありません。

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付箋やマーカーの代わりに使っても本が汚れなくてとってもいいです。
これからの読書ライフが楽しくなりそうなグッズに大満足です。

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